従来ゴルフのルールは4年に1度、オリンピックの年に改正されてきましたが、異例の措置として2019年1月1日から新ルールとなりました。
ゴルフ競技の世界的な総本山ともいえる、スコットランドにあるR&AとUSGA(全米ゴルフ協会)が中心になってとりまとめ、JGA(日本ゴルフ協会)も対応した新ルールを見てみましょう。
新ルールはシンプルに
まず変更となった名称をチェックしておきましょう。
まず各ホールのティーショットを打つ場所、ティーインググラウンドがティーイングエリアとなりました。
そしてウォーターハザードがペナルティーエリアと変更になると共にその定義も少しシンプルになりました。
ペナルティーエリアは従来のウォーターハザードとラテラル・ウォーターハザードを合わせたものです。
そして従来のウォーターハザードはイエローペナルティエリアとして黄色い杭が、従来のラテラル・ウォーターハザードはレッドペナルティーエリアとして赤い杭が設置されています。
水のある場所や砂漠等に限らず球を打つことが困難な場所をペナルティーエリアという1つの単語でまとめたという形です。
またスルーザグリーン(フェアウェイとラフ)がジェネラルエリアとなりました。
これはティーイングエリアとバンカー、そしてペナルティエリア、パッティンググリーンの4つの特定エリア以外のスペースと考えるといいでしょう。
バンカーとパッティンググリーンの名称はそのままです。
ルール全体の条項数も34条から24条に減り、シンプルになりました。
余計な時間を短縮、救済策で軽やかにプレー
初心者はグリーンに出る際、勇気が必要だと思う方も多いでしょう。
OBを出して一緒にプレーしている人や後続の人たちを待たせてしまうのではという心配があるからです。
その点を理論的な救済策でゴルフが楽しめるような新ルールができました。
例えば、従来のルールではティーショットがOB方向へ行ってしまった場合は、1打罰を加えて3打目として暫定球を打つことになっていました。
新ルールではこのルールに加え、プライベートでプレーを楽しむ人たちがスムーズに進んでいけるよう、ローカルルールとしてもう1つの選択肢ができました。
ドロップ地点を決定し、2打罰を加え4打目として次のショットを打てるというものです。
これと同じ理論でティーショットだけでなく、2打目以降でも2打罰を加えて次のショットに移れるという救済策の選択肢が加わりました。
ロストボールを探すのもまた先に進みたい人にとっては負担となる時間でしょう。
従来はロストボールを探す時間は5分でしたが、新ルールでは3分と短縮されました。
ロストボールが着地した地点を推定し、そこから近いフェアウェイ地点を決めるといった手順でドロップエリアが決められるようになっています。
この2打罰は新ルールの中であくまで推奨される、というニュアンスです。
日本特有とされる従来のローカルルールとして前進4打があります。
仲間内ではプレーの前に従来の前進4打にするか、又は新ローカルルールにのっとるか、クリアにしておくといいでしょう。
新ルールでより気軽にプレーを楽しむ
従来のルールでは救済処置をする際、マーカーに報告することになっていましたが、2019年の新ルールではその義務はなくなりました。
OB球を出した際の初心者のストレスの軽減にもなり、より気軽にグリーンに出てプレーが楽しめるようになるでしょう。
他にも安全を確保した上で、カップから一番遠い人でなくとも準備ができたプレーヤーからプレーすることが推奨されるなどの、時間のロスや煩わしさを軽減する新ルールを活用していきましょう。