ゴルフ初心者のなかには、ヤードという距離を測る言葉に疑問をもつ人もいるようです。
なぜメートルではなくヤードなのか、メートルではだめなのか、日常生活では使わない単位なだけあってわからないことがたくさんあります。
そんなゴルフ初心者あるあるに答えましょう。
ヤードを使うのは発祥地が理由?
ゴルフでは、メートルではなくヤードという単位を使います。
1ヤードは0.9144メートルで、1メートルにも届かない長さです。
ではなぜゴルフではヤードという単位を使うのかですが、これはゴルフの発祥地が関係しています。
ゴルフの発祥地はイギリスやスコットランドだと言われており、それぞれの国ではヤードやポンドという単位で距離を表します。
かつてはヨーロッパの多くでヤードという単位が使われていたことから、ヤードという単位が使われるようになったということです。
ヤードは日本を含める3カ国しか使っていない
そんなゴルフを楽しんでいる人には耳馴染みのあるヤードという単位ですが、実はこのヤードという単位をゴルフで使用しているのは日本とイギリス、そしてアメリカの3カ国だけだと言われています。
なぜかというと、1875年にフランスが考えたメートル条約という法律が締結されたことがきっかけで、多くの国がメートルを使うようになったからです。
しかし不思議なことに、日本を含む3カ国だけは未だにゴルフではヤードを使っています。
さらに不思議なことに日本では日常生活でメートルを使っているのに、ゴルフの試合などではヤードを使うのです。
これはゴルフをしている人の七不思議ではないでしょうか。
実はこれには理由があります。
日本ではじめてゴルフ場が作られたのが1901年、イギリス人により神戸ゴルフ倶楽部というところだといいます。
そのときイギリスで使われていたヤードという単位を使い始めたことで、現在まで使われるようになったという説があります。
1970年代後半に一度だけメートルが使われるようになったことがあるそうですが、その期間はなんと4年から5年程度。
商行為においてはメートル法で、という経済産業省による勧告が理由で一度はメートルを使い始めた日本のゴルフ業界でしたが、ヤードで覚えたゴルファーたちから多くの不平不満が上がったといいます。
その結果、メートルではなくヤードを再び使うようになりました。
グリーンではメートルを使うのはなぜ
日本のゴルフ場や競技でヤードが使われる理由をこれまで書きましたが、実はグリーンではメートルを使うということを知っていますか?
グリーンとは、カップがある場所のことです。
ボールを入れるためのカップがあるその周辺では、選手やゴルファーたちが細かくボールを打って動かすことがあります。しかしヤードではその距離を表すことが難しいので、メートルを使っているそうです。
先ほども書いたように、1ヤードは0.9114メートルです。
カップまで1メートルもない距離の場合は、ヤードで表すのは困難だということがわかります。
また、イギリスではヤードで測ることが難しい場合はフィートという単位を使います。
しかし日本ではフィートという単位は馴染みがなく、わかりにくいという問題があることもメートルがグリーンで使われる理由です。
ヤードの測り方
ゴルフ初心者にはわかりにくいヤードの測り方ですが、基本はコースの両端に刺されているヤード杭というものを距離の目安としています。
杭には距離の数字が書いてあったり色でわかるように表示されていることがありますが、ほとんどのゴルフ場では線で距離を表す杭が使われています。
杭の線は、1本線が残り100ヤード、2本線が残り150ヤード、そして3本線になると200ヤードとなります。
ゴルファーたちは、自分のボールがどの杭により近いのかを確認して距離を測るのです。
自分で残りの距離を確認しながら打てるので、力加減や何を使うのかをきちんと判断するためにも杭を必ず確認しましょう。
また、杭で距離を測るときには、その距離がグリーンエッジまでなのかセンターまでなのかを確認しておくことが大切です。
一般的にはグリーンのセンターまで、という場合が多いようですが、もしそのゴルフ場では違う表し方をしている場合は使うクラブも変わります。
ですから、はじめる前に必ず確認しておくことをおすすめします。
また、もしもグリーンが2つある場合は右にある杭は右側のグリーンまでの距離を、左にある杭は左側のグリーンまでの距離を表していると考えていいでしょう。
慣れればヤードで距離を測るのが当たり前になる
日本のゴルフ業界ではヤードを使うことが当たり前ですが、初心者の場合はメートルで距離を測った方がわかりやすいと感じるでしょう。
少しずつ慣れていけば、ヤードで距離を測ることが当たり前になっていきます。
初心者は日本のゴルフ場でヤードがなぜ使われるのかがわからないという以外にも、ヤードという単位そのものに慣れていない人がほとんどです。
1ヤードは0.9114メートルですがだいたい90センチほどと考えると、距離を考えやすくなるでしょう。
グリーンでパットを打つときなどにもわかりやすくなるので、初心者はヤードではなくメートルで考えて打つ人は多いといいます。
ところが驚くことに、ゴルフ歴が長くなるほどヤードの方がわかりやすくなるのです。
これもゴルフあるあるのひとつで、ゴルファーの七不思議と言っていいでしょう。
しかし日本以外にもヤードをゴルフのときに使う国が2つしかない、ということを知らない初心者はたくさんいます。
ゴルフはヤードを使うのは当たり前、そう考えている日本のゴルファーはほかの国ではメートルであることを知る人は少ないかもしれません。
ゴルフの距離はヤード、グリーンではメートル、これからも日本のゴルフではこの距離の表し方が変わる可能性は低いと考えていいでしょう。
ヤードに慣れたらもっと楽しめるようになるかも?
ゴルフでよく耳にするヤードという距離を表す単位は、日本のほかにはイギリスとアメリカだけしか使いません。
しかし、日本のゴルフ業界ではヤードはこれからも使い続ける可能性が高いです。
慣れればわかりやすく、メートルよりも計算しやすくなるとゴルファーの方たちは言います。
ヤードは発祥地がイギリスだったことから使われるようになりましたが、日本のゴルフでは今や当たり前のことになっているためメートルだけで距離を表すようにはならないでしょう。
初心者は、ヤードに慣れたらゴルフを楽しめるようになるのかもしれません。