【畑岡奈紗プロ】日本の女子プロゴルファー黄金世代を支える逸材

近年、多彩な才能が出現し、日本の女子プロゴルフ業界が活性化しています。中でも1998年度(1998年4月~1999年3月)生まれの選手たちは「黄金世代」と呼ばれ、日本女子プロゴルフ界を牽引しています。

その黄金世代の中でも注目株なのが、「畑岡奈紗」です。畑岡選手は、アマチュアとして初めて日本のメジャー大会に優勝したり、アメリカの大会で優勝したり、とさまざまな大会で活躍を続けています。

この記事では、畑岡選手の「経歴」や「実績」、その「強さの秘密」などについて説明していきます。

畑岡選手はゴルフ場勤めの母の影響でゴルフを始めた

畑岡選手の生年月日は「1999年の1月13日」、身長は「158センチメートル」、血液型は「A型」、出身地は「茨城県笠間市」。フルネームは「畑岡奈紗(はたおか なさ)」です。

なさという、少し珍しい名前ですが、これはアメリカ航空宇宙局の略称であるNASA(National Aeronautics and Space Administration)が由来となっています。

畑岡選手の父である仁一さんが、「前人未到の事をするような、世界に羽ばたく子供になって欲しい」という想いをこめて、NASAと同じ読みの奈紗と名付けたとのこと。

畑岡選手は、幼い頃から野球をしていましたが、母親の博美さんが「宍戸ヒルズカントリークラブ」に勤めていた影響もあり、11歳のころからゴルフを始めました。

ゴルフを始めたのが11歳というのは、現在活躍している選手の中では、やや遅めです。しかもこの時点では、それほど本格的なゴルフ練習をおこなっていたわけでもありません。

中学時代は、陸上選手であった仁一さんの勧めもあり、陸上部に所属していました。畑岡選手は陸上でも才能を発揮し、中学2年生の時には200メートル走で県7位という成績を残しています。

本格的にゴルフを選ぶきっかけは韓国での偶然

畑岡選手が本格的にゴルフにのめり込んだのは、12歳の時です。この年、仁一さんが陸上の素晴らしさを教えようと、世界陸上が開催されていた韓国の大邱(テグ)に家族を連れていきました。

しかし、お目当てのウサイン・ボルト選手はフライングであえなく失格。娘に陸上への憧れを芽生えさせる、という仁一さんの計画は失敗しました。

代わりに畑岡選手は、大邱で韓国の女子プロゴルファーと出会うことになります。この出会いをきっかけに、畑岡選手はゴルフへの興味を深めていったようです。

トミーアカデミー入塾で実力を高め女子プロゴルファーへの道を歩む

中学3年生になると畑岡選手は、「トミーアカデミー」に入会し、メキメキと実力を高めていきます。トミーアカデミーとは、小学4年生から高校2年生までの若者を指導するゴルフ塾です。

日本ツアー通算48勝(日本歴代3位)している名選手「中嶋常幸」が主催しており、中嶋常幸プロを始めとしたさまざまなスペシャリストから、本格的なゴルフ指導を受けられます。

トミーアカデミーでの修行の成果か、畑岡選手は2015年と16年の世界ジュニアを2連覇するという活躍を見せました。さらに2016年には、国内メジャー大会である「日本女子オープン」を、史上初めてアマチュアで優勝するという偉業を成し遂げました。

国内メジャー制覇を機に、LPGAに「単年登録」の手続きをおこない承認されました。この手続をおこなうと、1年間だけツアープロとして日本ツアーに参加することができます。

その後、2017年10月1日にLPGAに入会しました。このプロ転向も、宮里藍選手の18歳110日を塗り替える最年少記録となっています。プロになってからは、アメリカを主戦場として挑戦を続けています。

畑岡選手のおもな戦績

畑岡選手は、現時点(2021年6月)で、日本で5勝、アメリカで3勝しています。アメリカのメジャー大会での優勝経験こそまだないものの、日本での5勝のうち4勝は国内メジャー大会となっています。

畑岡選手の、アマチュア時代も含めたおもな戦績は次の通り。3位以下だった大会は省いています。

2012年 茨城県ジュニアオープンゴルフ選手権 優勝
KJGA韓国ジュニアKENICHI CUP 2位
2013年 関東ジュニアゴルフ選手権 2位
ジャカルタ世界ジュニアゴルフ選手権 2位
茨城県ジュニアオープンゴルフ選手権 2位
ファルドシリーズアジア日本大会 2位
2014年 ファルドシリーズアジア日本大会 2時
日本ジュニアゴルフ選手権競技 女子15歳~17歳の部 2位
2015年 IMGA世界ジュニアゴルフ選手権 優勝
関東ジュニアゴルフ選手権 優勝
茨城県アマチュアオープン(ジュニアの部) 優勝
関東高等学校ゴルフ選手権夏季大会 優勝
茨城県ジュニアオープンゴルフ選手権 2位
2015 APGCジュニア選手権 三菱コーポレーションカップ 1位タイ
国民体育大会 ゴルフ競技 女子 優勝
ファルドシリーズアジア 日本大会 (女子12~16歳の部) 優勝
2016年 IMGA世界ジュニアゴルフ選手権 優勝
Faldo Series Asia Grand Final 優勝
関東女子ゴルフ選手権 優勝
ネイバーズトロフィーチーム選手権 女子 2位
日本女子アマチュアゴルフ選手権競技 2位
日本女子オープンゴルフ選手権競技 優勝
2017年 ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント 優勝
日本女子オープンゴルフ選手権競技 優勝
NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 2位タイ
樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 2位タイ
2018年 キングスミル選手権 2位タイ
ウォルマートNWアーカンソー選手権 優勝
KPMG女子PGA選手権 2位タイ
日本女子オープンゴルフ選手権競技 2位
TOTOジャパンクラシック 優勝
2019年 キア・クラシック 優勝
ピュアシルク選手権 2位タイ
マイヤーLPGAクラシック 2位タイ
日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 優勝
日本女子オープンゴルフ選手権競技 優勝
2020年 ダイヤモンド・リゾーツ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 2位タイ
ゲインブリッジLPGAアット・ボカ・リオ 2位
2021年 全米女子オープン 2位

2021年に、アメリカのメジャー大会である「全米女子オープン」に出場しましたが、おしくも準優勝に終わっています。他にアメリカのメジャー大会で、3位タイに入ったこともあります。

ゴルフ以外のスポーツ経験が畑岡選手の強さを支えている

畑岡選手は、子供の頃から「野球」をやっていて、ゴルフを覚えてからも「陸上」に励んでいました。そのせいで、他の女子プロゴルファーよりも出だしが遅れてしまっていますが、必ずしもそれが悪かったとは言えません。

野球はゴルフと同じく「長い棒を振る」競技です。この野球でバットを振る感覚を生かして、最短でクラブを振り抜く、畑岡選手の無駄のないフォームが作られました。

また陸上の経験は、基礎体力の向上と、下半身の安定性アップに役立っています。
女子プロゴルファーの場合、下半身の筋力が弱いため、どうしてもスイングの時に重心がブレてしまいがちです。

しかし畑岡選手は陸上部で下半身を鍛え上げていたため、スイングの時に体が上ずることがなく、フォームの軸も安定しています。

師匠である中嶋常幸プロは、「集中力がすごい。悪いところを探すのが大変」と、畑岡選手を評価しています。

ヘッドスピードの速さとフォームの安定性が畑岡選手の特徴

畑岡選手は身長158センチメートルと、アスリートとしては小柄です。

しかし46~47メートル/毎秒という、女子プロゴルファーとしては驚異的な「ヘッドスピード」で、平均250ヤードの飛距離を叩き出します。これも下半身の筋力が強く、フォームが安定しているからこそできる芸当です。

また、畑岡選手は「左1軸スイング」を取りいれています。左1軸スイングとは、左足に軸を作り、この軸を固定させたまま体をまわすスイング法です。左右への軸移動が無いため、スイングが安定し、再現性の高いフォームでボールを打つことができます。

畑岡選手のフォームを分解して見ると、「テークバック」で腕が回っている時も、体の芯はドッシリとしていて重心が安定しています。またしっかりと肩を回して腕を上げています。

「トップ」では、手がしっかりと高い位置に上がりながらも、体が流れることもなく、しっかりと全体の安定性が保たれています。

「ダウンスイング」でも、重心はブレず、右腰に力が乗るタイミングとクラブを振り下ろすタイミングがキレイに一致して、インパクトの瞬間に力が集中しています。そしてフォロースルーの時も体が伸び上がらず、重心が低く保たれています。

米国の環境に慣れるのに苦労したが今後の活躍には期待できる

畑岡選手は若いうちに国内メジャーを制し、LPGA会長の小林浩美から「30年に1人の逸材」と評されたほどの女子プロゴルファーです。

アメリカのツアーに参加してしばらくは、環境に慣れるのに苦労していたようですが、今では通算3勝を記録するほどに成長を遂げています。

2021年の全米女子オープンでは、最終日に首位と6打差という厳しい条件からプレーオフまで持ち込むという粘りを見せてくれました。

畑岡選手のフィジカルと安定したスイングがあれば、アメリカのメジャー大会を制覇するのも遠い未来のことではないでしょう。

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