全英ゴルフ協会(R&A)と全米ゴルフ協会(USGA)が変更・修正を行ったルールが、2019年1月1日からスタートしました。
この新しいルールの注目すべき点の一つは、プレーに距離計の使用が正式に認められたことです。
この記事では、このルール変更の背景や、距離計の種類、使用法などについて解説します。
ルール変更による距離計導入の狙いは、プレー時間の短縮と競技人口の増加
全英ゴルフ協会(R&A)と全米ゴルフ協会(USGA)は4年に1度の割合で、競技ルールの変更・修正を行ってきました。
そして2018年に改正が行われ、2019年1月1日から適用されることになった新ルールでは、これまで公式には目視のみとされてきたボールから目標物までの位置計測に、計測器を使用することが認められたのです。
ルールブックの14-3では、プレーに影響を与える可能性がある機器の使用については原則禁止と定められており、距離計はその機器に該当するため、使用が認められていませんでした。
しかし2006年のルール変更では、非公式のプレーでは許可可能となります。
さらに2014年からはすべてのアマチュア競技において、距離計の使用が認められ、これが新ルールへと繋がることになったのです。
距離計の使用は、R&A、USGAがともに推し進めてきた、プレーのスピードアップと、競技人口の増加を目的としています。
National University Golf Academyの調査結果では、ハンデが13までの中級者以上が初めてのコースでプレーする場合、計測器の有無によりプレー時間は30分程度の変化があることが報告されているのです。
そして、アマチュアが気楽にゴルフを楽しむ場でも、ルールの変更が周知されることで距離計の導入を活発化させ、より気軽にゴルフを楽しめるようにすることで、プレーヤー数が増えることを目指しています。
新ルールでの距離計使用について、知っておきたい注意点
新ルールでは、2点間の距離を計測することに限って機器を使用できることになりました。
距離計には風速や高低差などを計測する機能を持つものもありますが、使用が認められるのは2点間の距離の計測機能だけです。
また、競技会の主催者はローカルルールを設けて、距離計の使用を禁じることもできるため、距離計の使用については事前によく確認することが大切になります。
距離計はレーザー式、GPS式のどちらでもかまわない。適正なものであればスマートフォンのアプリも使用可能
市販されている距離計の主なものとして、レーザー式とGPS式があります。
レーザー式は、レーザービームをピンなどの目標物に照射し、その反射を利用して距離を割り出すものです。
計測の精度が高いことがメリットで、プロ競技のキャディに使用されています。
デメリットは、その性質上、目標物との距離があるほどレーザービームが照射しにくくなること、目標物との間に障害物がある、あるいは目標物が隠れている場合は測定できないことです。
GPS式はその名前の通り、GPS機能により目標物までの距離を測定するもので、安価で使用法も手軽なことから、アマチュアのプレーヤーに人気があります。
最初の設定さえ済ませれば、後は自動的に計測を続けること、記録を保存できるため、後からプレー全体の流れを確認可能なことがメリットです。
ただし、GPS式はグリーンのセンター地点を任意に設定するため、実際の地点とは数ヤード程度の誤差が生じることも珍しくなく、これがデメリットとなります。
このほか、スマートフォンのアプリも、2点間の距離を計測することに機能を制限するのであれば、競技用の距離計として使用可能です。
ルールの変更で使用可能になった距離計を上手に使って、ゴルフを楽しもう
成果がスコアにはっきりと反映されるゴルフは、上達振りが目に見えるため、やりがいのあるスポーツです。
ルール変更で距離計が使用可能になったことで、時間がかかりがちな距離測定がスピードアップされ、より手軽に楽しめるようになりました。
ただし、プライベートなプレーを除いて、2点間の距離計測以外の機能を使うことは禁じられています。
ルールをチェックしたうえで距離計を上手に使って、スコアメイクに役立ててください。