2021年全米女子オープンにて、笹生優花プロが日本人として海外メジャー3人目として優勝しました。圧倒的な飛距離とショートゲームもうまい笹生プロですが、強さの秘密はどこにあるのでしょうか。
この記事では笹生プロについて詳しく説明していきます。
笹生優花プロとは
笹生プロのプロフィールや生い立ちなどを紹介していきます。日本とフィリピンのハーフでオリンピックにはフィリピン人として出場します。
プロフィール
まずはプロフィールをご紹介します。また20歳(2021年7月現在)になったばかりです。
ツアー通算勝利 | 国内2勝、米ツアーメジャー1勝 |
出身地 | フィリピン/東京都 |
身長 | 166cm |
出身校 | 代々木高校 |
血液型 | B型 |
誕生日 | 2001年6月20日 |
生い立ち
日本人の父とフィリピン人の母を持つハーフであり、東京オリンピックをフィリピン代表として出場したあと、日本国籍を取得すると話しています。6人兄弟で妹が4人と弟がいます。
笹生プロが日本に来たのは6歳のころで、笹生プロの母親が「日本で教育を受けさせたい」といったことがきっかけです。なかなか友達もできずに困る娘をみて、ゴルフ場に連れていったのが父親の正和さんです。
連れていったのはすぐ下の妹と弟と笹生プロの3人なのですが、「来週もゴルフ練習場にいきたい」と言い出したのは笹生プロだったのです。
笹生優花プロの成績
笹生プロは2016年、15歳の時にアジアジュニアゴルフチーム韓国、ワールドジュニアガールズカナダ、フィリピンジュニアアマチュアマッチプレー、フィリピンジュニアアマチュアオープンで優勝するなど世界の試合で頭角を表します。
また日本でも日本ジュニアゴルフ選手権競技で2位、サントリーレディースオープンで2位に入るなど日本でも結果を残します。
また2019年にオーガスタナショナル女子アマチュアでは、安田祐香と共に4位に入り注目されます。2019年の日本のプロテストに合格したあと、2020年にはプロ初戦となった「アースモンダミンカップ」で5位に入ると、続く「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」「ニトリレディスゴルフトーナメント」において2週連続優勝をします。
いずれも圧倒的なプレイ内容であり、「誰も歯が立たない」と話題になりました。
2021年に入りアメリカツアーの「ロッテ選手権」で6位に入った後、6月の全米女子オープンで日本人として4人目(女子では3人目)となるメジャー優勝を果たします。つづくメジャー大会のKPMG全米女子プロゴルフ選手権でも、最終日67をマークし21位タイと結果を残しています。
笹生優花プロはなぜ強い?
それではなぜ笹生プロは強いのでしょうか。笹生プロの強さの秘密を紹介していきます。
・体の強さ
・ゴルフが好き
・父親のサポート
・ジャンボ尾崎の弟子
体の強さ
笹生プロはゴルフを始めた小学校2年生の時から、父親の勧めもありがっしりとした下半身を作り出すために、毎朝のランニングやバットでの素振り、筋力トレーニングなどをこなしてきました。
これまでのトレーニングの成果として、中学に入るとドライバーの飛距離は250ヤードを超えてきました。また体幹が強いことから、ラフや悪いライからのショットでも体勢を崩すことがほとんどなかったのです。
さらに石川遼選手を育てた吉岡氏が在籍するゴルフ部のある代々木高校でスイングを磨いていきます。さらにジャンボ軍団に入り体力つくりや技術力アップに励んだのです。
ゴルフが好き
笹生プロは小学生の時からゴルフ場に通うなど、ゴルフ一色の生活をしていました。父親は何度も「こんな辛い思いをさせていいのか」と迷ったそうですが、本人は「もっとうまくなりたいから続けたい」とハードな練習を続けました。
ファッションにも食事にもとくに興味を持つものはなく、ゴルフだけにここまで力をいれて練習をしてきました。それだけゴルフに対する思いは人一倍強いのです。
父親のサポート
笹生優花プロはプロコーチをつけず、独学でゴルフを勉強した父親の正和さんとここまで歩んできました。笹生プロがまだ幼少の頃ゴルフ練習場に連れて行ったのがきっかけで、ゴルフが好きになり日課にまでなるようになりました。
そんなある日「宮里藍さんみたいにプロゴルファーになりたい」と笹生プロが父親にいったそうです。
ジャンボ尾崎プロの弟子
コロナ禍の影響でフィリピンへの渡航ができなくなり、練習をする場所を探していた父親が知り合ったのがジャンボ尾崎プロの息子である智春プロだったのです。笹生プロの打球を見届けたジャンボプロが、ジャンボ邸での練習を許可します。
ジャンボ軍団の男性プロの中でも、当時の笹生プロの飛距離に負けていたプロは大勢おりジャンボ尾崎プロも「笹生プロは必ず勝つ」と明言するほどだったそうです。
これまでは体づくりがメインだった笹生プロにとって、技術や心構えなどジャンボ尾崎プロを始めたとしたジャンボ軍団から学ぶ機会ができたのです。
笹生プロのスイングやプレイスタイルの特徴
それでは笹生プロはどのようなスイングをするのでしょうか。プレイスタイルとともに説明していきます。
笹生プロのスイング
笹生プロのスイングはマキロイと比較されることが多いです。笹生プロはマキロイの大ファンであり、あこがれていることもありますがスイングはよく似ています。
まずスタンスですが、マキロイとにて広めです。女子でこのスタンス幅をとっている選手は少なく体重がしっかり右にのっているので飛距離が出やすく、大きな特徴は下半身がまったくぶれないことです。
しっかりと右に体重を乗せると多くの選手がスイングがぶれてしまうのですが、笹生選手は体幹が強いことからまったくぶれずに飛距離がでる上に安定したショットを打つことができます。
さらにしっかりとコックと使い地面反力を使っているにもかかわらず、ここでも下半身のぶれは見られません。さらにスイング中に頭の位置がまったく動かないのも大きな特徴です。
しっかりと両脇を締めフィニッシュは左足が伸びきる状態となています。これはパワーかつ柔軟性をもっている笹生プロならではなのです。つまりマキロイをお手本に技術を磨いてきたスイングは、子供のころから鍛えてきたパワーと柔軟性のたまものなのです。
笹生プロのプレイスタイル
笹生プロはアメリカツアーにおいてもトップクラスの飛距離を武器に、どんどん攻めていくプレースタイルです。全米女子プロでは「ちょっと攻めすぎました」とコメントを出し、何度か池に入れていたのですがそれも含めて笹生プロの魅力でしょう。
また攻撃的なプレースタイルに加えて、飛距離のでるドライバーからアプローチ、パターに至るまでシンプルなプレーをすることから大きな欠点がないことも笹生プロの大きな魅力です。
これらの魅力に加えて強靭な体力や精神力があることが、今の笹生プロのプレイスタイルにつながっています。
笹生プロの今後が楽しみ
全米女子オープンで畑岡選手をプレーオフで破り優勝した笹生選手はまだ20歳になったばかりです。全米女子オープンで優勝したことによりアメリカツアー会員となり、今後世界での活躍が期待されます。また多くの日本人のプロゴルファーにとって壁となる語学の心配が笹生プロにはありません。
すでに平均飛距離が280ヤードでアプローチの引き出しも多く、すべてが規格外の笹生プロですが今後の成長に注目が集まります。